「コスモヘレノスがすっかり有名になってしまいましたが、実はガイアボルトをイメージして配合したんです」とナカノファーム代表の中野富夫さんは嬉しい誤算にちょっと照れたように話をしてくれた。スターフェスタの4番仔として南関東の大井競馬場でデビューしたガイアボルトは2歳時に3戦2勝。年明けにはクラシック路線を歩んで京浜盃5着、羽田盃4着。東京ダービーへの期待を抱かせたが、脚部不安を発症して丸2年にも及ぶ休養を余儀なくされた。「それでも、復活して勝ってくれました。馬の頑張りに頭が下がります」と目尻を下げる。
　本馬は、そのガイアボルトの全妹。「牝馬ながらに骨のしっかりしたタイプで、そういう意味では全兄と良く似ていると思います」と目を細めている。中野さん自身「スタミナタイプが好き」と言うから、ある意味では理想の兄たちなのかもしれない。
　本馬は、決して大柄ではないものの、ゆとりがあって身体全体を使って大きく歩く。長く、しなやかなクビには長距離馬の特徴が表れており、血統のイメージ通りに成長していることが良く分かる。
　左のブラックタイプには掲載が間に合わなかったが、つい先日には、スターフェスタの第6仔ドレミファドンが、膝までつくほど発馬で躓きながらも4馬身差の快勝で初勝利を挙げた。「どの馬でもそうですが、まず1勝が目標です。そして勝ったら次の1勝を目指します。息の長い活躍が期待出来る馬ですから、しっかりした管理と夜間放牧でそういった下地を作って送り出したいですね」と腕を撫している。