500キロを優に超す馬体から繰り出されるパワーとスピードで、3歳春にはユニコーンSで2着し、返す刀で挑んだ3勝クラスの姫路Sを1番人気に応えて快勝。そして、古馬となってからは、芝に転じて2戦目のリステッド競走・六甲Sを勝ったサヴァの半妹が登場だ。
「ヴァーミリアン、ソリタリーキング、サカラートを擁するスカーレットファミリーの出身で、ダート適性の高い仔を多く産んできた母には、キングカメハメハ系種牡馬、その中でも特にダート適性の高い馬を配合したいと考えてホッコータルマエを配合しました。その結果、産まれたのが本馬です。骨量と筋肉量に恵まれて、会員の皆さんも将来の姿がイメージしやすい募集馬だと思います」と大北牧場代表の齋藤善厚さんが頷く。
グラッド17は、6月上旬現在、馬体重は423キロ。3月末生まれの分、腰高で成長の余地を残してはいるが、後駆のボリュームは既に圧倒的だ。当歳時からケガや病気とは無縁であり、放牧地では、恵まれた身体を目いっぱい使った伸びやかなフットワークで駆けている。その姿を眺めながら「シルエットとフレームは、牧場時代のサヴァそっくりです」と現役活躍中の半兄を引き合いに出して齋藤さんがポツリ。
父ホッコータルマエは2014年のJRA賞最優秀ダートホース。父としてもパワーと自在性、そしてキングカメハメハ譲りの成長力を産駒に伝えて、2022年にはNAR2歳チャンピオンサイアーとなり、ダート総合サイアーランキングでも昨年は5位と上昇。2017年から昨年まで7年連続で150頭以上の繁殖牝馬を集める人気種牡馬である。
本馬の1番のセールスポイントは?との問いに「血統と、それが表現された馬体」と迷わずに答えた齋藤さん。平成の世に『マイルの女王』ノースフライトを送り出した大北牧場が、ダート3歳3冠路線が整備されたこの令和の時代に送り出すのは『砂の女王』か、それとも『2刀流』か。是非ご期待いただきたい。
1歳6月上旬時点測尺
体高 154cm / 胸囲 174cm / 管囲 20.5cm