『コントレイル産駒のファンディーナ半弟』。クラブ会員様のみならず、多くのファンの心が躍るそんなパワーワードが紹介文に踊る血統馬グラッド12が今夏のクラブ1歳馬募集のラインナップを一層華やかなものにしている。
グラッド12は、ビロードのような皮膚と、狂いのない骨格、そして上質の筋肉が馬体を構成。十分な深さを持つ胸は引き締まり、推進力を生み出す後肢の容量は大きく、発達した臀部と腰にかけての筋肉の盛り上がりは一際目を惹く。一方、放牧地では重厚さの中にも柔らかさとバネを感じさせる身のこなしを見せており、奥があるのを感じさせる。そしてその堂々とした立ち振る舞いは、生まれ持った器の大きさの証のようだ。
父のコントレイルは日本競馬史上3頭目となる不敗の三冠馬。2歳10月の東京スポーツ杯2歳SをJRA2歳レコードで楽勝すると、続くホープフルSでGI初制覇。ぶっつけ本番の皐月賞では、悪くなった道中のポジションを向正面でリカバリーすると、食い下がるライバルたちを尻目に着差以上の強さを見せた。距離不安が囁かれた菊花賞も貫禄勝ち。JCではアーモンドアイの後塵を拝したが、シンボリルドルフもディープインパクトも古馬との初顔合わせでは敗れており、評価を下げるものではない。仕上がりの早さ、スピード、瞬発力、勝負根性のいずれも非常に高いレベルで完成された傑出馬だった事は論を俟たないだろう。昨年のセレクトセールに登場したその初年度産駒は、5億2000万円で落札された牡馬を筆頭に8頭がミリオンホースになり、上場20頭で25億円を超える売り上げを記録。この一事からも、多くの関係者がコントレイルに“ディープインパクトの次”を強く予感しているのが想像できる。
「母で叶わなかった夢を託し、そしてドリームオブジェニーの血統で種牡馬を創りたい。大きな夢ですが、夢は願わないと絶対に叶わない」という谷川牧場代表の谷川貴英さんの本気の言葉が力強く胸に響いた。
1歳6月上旬時点測尺
体高 153cm / 胸囲 173cm / 管囲 20.2cm