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RECENTLY NEWS -近況情報-
2023年3月
3月中旬現在、笹地牧場で日中放牧が行われている。笹地代表は「普段、放牧地ではのんびりしていますが、最近はすっかり暖かくなって雪もなくなり、馬は一層元気になってきました。一旦走り出すとスピードに乗って、ビューンと駆けていきます。さすがに夏場より運動量は少ないですが、この時期としては十分多い方だと思います。母の仔なのでサイズは小ぶりですが、5月生まれという事を考えると順調に成長していますよ」とのこと。馬体は前月に比べてサイズ的には大きく変わった感じはしないが、馬体の肉量が増えて、だいぶしっかりしてきた印象。母の仔らしく瞬発力があり、放牧地を走る姿は軽快だ。
2023年2月
2月中旬現在、笹地牧場で日中放牧が行われている。笹地代表は「このひと月で大きくは変わっていませんが、馬体はフックラとしてきたように思います。身体つきを見るとサンダースノーが出ている体型になってきたかなと思います。今、放牧地はちょうどいい位の積雪で、クッションが利いて、そして結構、負荷が掛かります。人が歩いてみても結構大変で、すぐ息が切れる位です。夕方に収牧する際、まだ帰りたくない時なんかは掴ませないで、4頭して気が済むまで走りまわるのですが、雪で負荷が掛かるので、日差しも弱くなってマイナス気温の寒さの中なのに、あっと言う間に馬体は汗びっしょりになりますよ」とのことだ。
2023年1月
1月中旬現在、笹地牧場で日中放牧中。笹地代表は「今年は、年が明けても放牧地に雪が全然なかったですが、15~16日で一気に降って、結構積もりました。雪がないと人間は楽でいいですが、雪がないと地面が凍って硬くなり、馬は蹄を痛めやすくなるし、滑るので馬も動かなくなるので、積もってくれて良かったです。中間、一緒に放牧している早生まれの牡馬と比べると、まだひとまわりは身体が小さいですが、この馬なりに成長していますし、蹄を痛めることはなく、病気や怪我もありません。1歳春頃までは牡馬と一緒でも問題はないので、それまでは、このまま男馬も一緒のグループで放牧するつもりです」とのことだ。
2022年12月
12月中旬現在、笹地牧場で日中放牧で管理されている。笹地代表は「離乳直後に一旦落ちた飼葉食いも、最近はすっかり食いが戻って、しっかり食べるようになりました。最近は、冬毛がだいぶ長くなってきましたが、風邪を引くようなこともなく、体調も安定しています。5月生まれの牝馬で、母も身体の大きな馬ではないので、放牧仲間より、現状は頭一つ分くらい小さいですが、月齢を考えれば、この馬なりに順調に身体が大きくなっています。そして、姉2頭の当歳時と比べると、この馬が一番性格が素直です。それでも、やはり気の強いトゥニーポートの仔なので、ピリッとしたところは持っていますよ」とのことだ。
2022年11月
笹地牧場にて、9月末に離乳した後は日中放牧で管理されている。5月生まれで、背丈は仲間の中でも一番低い位だが放牧地では元気いっぱいに遊んでおり、走り始めると手先の軽さが目立つ。笹地代表は「9月末に離乳して、引き続き放牧していますが、変わりなく順調です。離乳後はちょっと出来が落ちた感じがありましたが、身体も少しずつ戻ってきています。5月生まれの牝馬なので、放牧仲間の1月末生まれの牡馬などと比べると、さすがにひと回り小さいですが、気が強くて群れ一番のお転婆娘です。自分より身体の大きい馬に対してちょっかいを出したりして、結構キツイところを見せています」とのことだ。
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「トゥニーポートは1年間子育てを休みましたから、しっかりと充電できたと思います」と笹地牧場代表の笹地清幸さんが放牧地のトゥニーポートに暖かい視線を送る。
母トゥニーポートは2歳7月に小倉競馬場でデビュー。3歳夏に3勝目を挙げると秋にはローズSに挑戦して5着。ステイゴールドの産駒としては珍しく逃げ、先行力を武器に活躍し、準オープンの身でありながら重賞でも健闘を続け、5歳夏の新潟競馬では1600万条件2勝目となる通算5勝目の勝鞍を挙げた。続く格上げ初戦の朱鷺Sでも逃げて2着馬とはハナ差3着とオープンでも通用する能力を示した。
そのトゥニーポートの配合相手として今回選ばれたのは、仏2歳チャンピオンにして、ドバイワールドC連覇のサンダースノー。デビューした2歳から引退する5歳まで、4年連続GI競走を制覇した他、愛2000ギニー2着、ブリーダーズCクラシック3着と高いレベルで長く活躍した。現役引退後は日本で種牡馬入りし、3年間で436頭の繁殖牝馬に配合を行う人気ぶり。そうして生まれた初年度産駒は今年の1歳市場において、26頭が取引されている。仕上がりが早く、芝のマイルGIで2勝、ダート2000㍍のGIで2勝と本格派の二刀流。サンダースノーの産駒は「2歳の早い時期、あるいは冬場のダート番組でも賞金を加算できる可能性が高い」と生産地でも期待する声が高い。
フェイマス9が放牧地で見せる気の強さは、母トゥニーポート、ひいてはその父ステイゴールド譲り。5月生まれのために、まだ幼さを残すが、すでに競走馬としての雰囲気を漂わせるバランスの良い馬体である。可動域の広い肩、そして力強い後躯の踏み込みから素軽さの中にどっしりとした動きが、動画では確認できる。
「この馬の出来が素晴らしかったから、今年もサンダースノーを配合しました」と笹地さん。“山椒は小粒でもぴりりと辛い”。そんなフレーズを地でいく走りが期待できそうだ。