クラブ卒業生パシュートの仔が今春のクラブ2歳馬募集に登場だ。
父のシルバーステートは、その現役時代、新馬戦2着後の4連勝でOPへ駆け上がったが故障のため5戦でキャリアを終えた未完の大器。GIはおろか重賞勝ちすらなかったが、ポテンシャルの高さを評価されて2018年に種牡馬入りすると、初年度から桜花賞2着馬のウォーターナビレラとプリンシパルS優勝のセイウンハーデスがクラシックを賑わせ、2年目産駒からは、3連勝でニュージーランドTを制したエエヤンや、皐月賞で上位を賑わせたメタルスピードとショウナンバシットが登場。今年も、年明け早々にリカンカブールが中山金杯を制した他、京都牝馬Sでは、セッションとコムストックロードが2、3着するなど、特に芝での活躍が目立つ。ちなみに、スタッドイン当初80万円だった種付料は、昨年は600万円に設定されたが、それでも国内最多の200頭の繁殖牝馬を集めた。今春についても500万円と、同馬を繋養する優駿SSではヘニーニューズと並び最高額に設定されているA級種牡馬の1頭だ。
募集本馬の祖母クリスタルヴィオレはSkip Away産駒の持込馬で、OP特別の菜の花賞勝ちやクイーンC2着など中央で活躍。その仔で、2018年のクラブ2歳馬募集に提供された母パシュートは、残念ながら精神面に課題があって競馬では結果を残せなかったが、キングヘイロー肌の繁殖牝馬として、そのポテンシャルは魅力的だ。最強馬イクイノックスをはじめ、近年重賞勝馬を続々と誕生させている“BMSキングヘイロー”の優秀さは特筆もの。そして、父シルバーステートとの組み合わせはウォーターナビレラと同じだ。
フェイマス23は、1歳秋以降、北海道で育成されて、2月15日に美浦近郊のスピリットFへ移動した。3月上旬現在、ダートトラックと坂路で育成を進め、馬体重は455キロと大柄ではないがバランスの良い体型で、身体をしっかりと使ったスピード感のある動きが目立っている。ご期待いただきたい。
2歳3月上旬時点測尺
体高 154cm / 胸囲 175cm / 管囲 19.3cm