今年の函館2歳Sを勝ったゼルトザームの半妹であり、今夏の北海道市場サマーセールに上場された本馬は「人気の新種牡馬ルヴァンスレーヴ産駒で、母系は所謂“薔薇一族”。しかも、本馬自身の動きも柔らかく、将来的に長く楽しんでもらえる馬になると思う」と高昭牧場によって購入されて、この度ターファイトクラブへ提供される運びとなった。
父は2018年JRA賞最優秀ダート馬とダートグレード競走特別賞を受賞したダートのトップホース。2歳8月にデビューすると強烈な瞬発力を武器に新馬、プラタナス賞、全日本2歳優駿と勝ち進み、ジャパンダートダービーではオメガパフュームを捩じ伏せて世代の頂点に立った。そして秋にはマイルCS南部杯でゴールドドリームを封じ込め、続くチャンピオンズCも制してダート界を完全制圧。特徴的なのは、勝利した7レース中5レースでメンバー中最速の上りを記録していることだ。種牡馬としても、しなやかさを兼ね備えた新しいダート血統として注目を集めており、長く、やわらかい繋ぎや上手なクビの使い方、容量の大きな腰周りなど、その特徴は本馬にもよく受け継がれている。
母ロザリウムは、最優秀2歳牡馬で、繰り上がりとは言えJCを優勝したローズキングダムの全妹。そのブラックタイプの広がりはパンフレット等でご確認いただきたい。ロザリウム自身は5月生まれで、かつ一族の宿命もあって馬格には恵まれなかったが、京都競馬場の芝1600mで行われた新馬戦では1番人気に支持された素質馬だった。そして、その秘めた素質が確かだったことは、この夏、4番仔ゼルトザームによって明確に示された。「父も、半兄も2歳夏に勝ち上がっています。この仕上がりの早さは武器になると思う」と高昭牧場の上山貴永専務。「身体は8月のセール時の体重で440キロ。気の強い面もあって放牧地でも負けていないです。やられたら、しっかりとやり返すタイプ」と、その闘争心にも目を細めている。
1歳8月時点測尺
体高 155cm / 胸囲 178cm / 管囲 19.5cm