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RECENTLY NEWS -近況情報-
2022年6月
6月中旬現在、高村牧場で夜間放牧中。高村代表は「オンとオフの切り替えが上手く出来る仔だなと、日頃から見ていて感じます。それと兎に角、ドッリシして物怖じしません」とのこと。例えば、今回の新しい募集パンフレットに掲載する写真と動画撮影の際でも、立ち姿は耳が前に向いたところを撮るので、撮影の際、普通カメラのフレームの外では、人が音を鳴らしたり動いたりして馬の注意を引くようにするが、本馬は音や動きにビクともせず、色々試した末、最終的に少し離れたところでドローンを飛ばし注意を引いた程だ。先々は、多くの観客を前にした競馬場で、この肝の太さが平常心として発揮されるに違いない。
2022年5月
5月中旬現在、高村牧場で夜間放牧されている。クビから肩、胸前、そしてドシっと存在感のある腹袋。前月よりさらに身体は厚みを増し、そしてギュッと詰まった胴とバネのある四肢を使って活気溢れる走りを見せている。高村代表は「また一段と幅が出てきました。日中は、気持ち良さそうに放牧地でよく寝てますが、放牧地に放した時は、まるで弾けるように放牧地の山肌の坂を勢いよく駆け上がって行きます。牝馬にしては落ち着きのある振る舞いが出来る仔で手が掛からず、愛らしい顔で、兎に角”めんこい”です」とのこと。なお、近親スタニングローズがオークスで2着。”薔薇一族”の底力を大一番で示して見せた。
2022年4月
4月中旬現在、高村牧場で放牧されており、3月20日からは夜間放牧を開始している。高村代表は「脚が短めな分、重心の低い体型で体高は高くないですが、食べる事が大好きで、頼もしい身体をしています。今時期は青草がそこまで出てきている訳ではないので気を遣う時期なのですが、夜間放牧開始後も疲れは見られず、馬体を見ても、こたえている様子はありません。相変わらず目がクリっとして可愛いですが、最近は、気持ちがだいぶ大人になって落ち着きがあり、牝馬にしては肝が据わっています。ドッシリした乳母に育てられたので、その影響かもしれないですね」とのことだ。4月中旬現在の馬体重は371キロ。
2022年3月
高村牧場で3月中旬現在も日中放牧が行われている。馬体はさらに厚みを増して充実一途。放牧地では、群れが動き出すと瞬時にトモを蹴り出して反応よく動き出し、そして一気に先頭に踊り出る瞬発力の持ち主だ。高村代表は「この時期は牡馬と牝馬で分けるところが多いと思いますが、牝馬同士だと仲良しになってあまり動かなくなるので、ウチではまだ牡馬と一緒に放牧していて、ギリギリまで一緒に過ごさせます。放牧地では牡馬に混じって3番手の立ち位置の様で、牡馬顔負けの負けん気の強さを見せています。間違いなく牝馬同士になったらボスになると思います」とのことだ。3月11日時点の馬体重は361キロ。
2022年2月
高村牧場で2月中旬現在、日中放牧が行われており、このひと月では一段と幅が出て、特に腹袋がどっしりと存在感が出てきた。高村代表は「とにかく飼葉の食いがすごく良くて、これが彼女の長所だと思います。しっかり食べれるという事は、先々、馬体の維持に気を遣って調教を手加減しなくても大丈夫など、特に牝馬だと大きな要素になると思います。動きも力強さが出て牡馬みたいですし、牝馬らしい身体の柔らかさと、ディープ系の瞬発力のある走りの両方を感じます。それと、歩きの良い馬は良い走りをするので、この仔にも期待しています。今後の成長が楽しみです」とのことだ。2月11日時点の馬体重は347キロ。
2022年1月
高村牧場で1月中旬現在、日中放牧が行われている。1月14日時点の馬体重は324キロと、数字の変動はそれ程なかったが、牝馬らしい丸みのある馬体は、見た目に筋肉量が増えた。四肢がやや短くて重心の低い体型で、曳いて歩く時もクビをリズミカルに動かしてキビキビと歩き、その四肢の運びにはファミリー特有のキレを感じる。高村代表は「放牧地で仲間と遊ぶ際は、まるでゴム毬のように弾みながら駆けまわっています。見ていて躍動感がありますね。牝馬の割に気持ちが据わっていて、他馬が驚くような事が起きても、結構平然としていることが多いです。落ち着きと前向きさが絶妙な感じで同居しています」とのことだ。
2021年12月
高村牧場で放牧されている。この中間も日中放牧で管理されており、12月中旬現在、馬体重は318キロと、前月から約20キロ増えて順調な成長振りを見せている。また、取材時の立ち写真撮影の際も、じっと我慢できるようになり、精神的にも少し大人になった印象だ。高村代表は「この間、馬体は、さらに幅が出てきました。それに連れて全体に力が強くなって、放牧地の動きや普段の歩様などでも、動きの”キレ”が以前よりも増しました。幅のある体型になってきたことも含めて、父ワールドエースと言うよりも、やはり母父のエリシオだったり、母系の影響が強く出てきたように最近の様子からは感じます」とのことだ。
2021年11月
高村牧場で放牧中。7月1日に離乳を終え、気温の下がった10月下旬に昼夜放牧から日中放牧に切り替えた。高村代表は「中間は順調に成長して背が高くなり、フックラ幅が出て、全体に牝馬らしい柔らかなボディラインになりました。そして、滑らかなトップラインと、大きくなったトモが目立つようになりました」とのこと。一方で、動かすとクビを上手に使って推進するリズミカルな歩様と、小気味の良い、キレのある脚捌きが目を惹く。祖母ロゼカラーや母の姉ロ ーズバドら、所謂バラ一族は小柄ながら瞬発力に秀でているのが特徴。本馬も、放牧地では瞬発力ある動きを見せている。11月1日時点の馬体重は300キロ。
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CATALOG TEXT
1992年の英国タタソールズ社繁殖牝馬セールには、ノーザンファームの吉田勝己社長が「初めて自分自身で選んだ」と話す2頭の繁殖牝馬がいた。のちのフサイチコンコルドを受胎していたバレークイーンであり、本馬の曾祖母ローザネイだ。それから四半世紀。大きく枝葉を広げたファミリーは「薔薇一族」と呼ばれ、手にしたJRA重賞は19。一族は総じて小柄な馬が多いものの卓越した競走能力を備え、朝日杯FSとジャパンカップを制したローズキングダムをはじめ、活躍馬は枚挙に暇がない。先日の新潟2歳Sで人気の一角を占めたスタニングローズも“薔薇”のファミリー出身だ。
「縁あって当牧場に迎える機会をいただきました。ほとんど外に出る事がない貴重な血ですし、しかもアルバローズは3勝馬と4勝馬を産んでいます。こんなチャンスを前に首を横に振る生産者はいないと思います」と話すのは、募集本馬の提供者である高村牧場代表の高村祐太郎さん。当時、アルバローズは19歳という高齢だったが、前年が不受胎だったために、しっかりケアする時間があった事も背中を押した。
そして、「絶対に牝馬を生んでほしい」と願って高村さんが配合したのがワールドエースだった。きさらぎ賞と若葉Sを連勝して臨んだ皐月賞ではゴールドシップの2着。1番人気に推され、メンバー中最速の上がりタイムで追い込んだものの4着に敗れた日本ダービーの後は脚部不安で長く戦列を離れたが、復帰2戦目のマイラーズCでは京都競馬場芝1600㍍のレコードタイムを塗り替えて勝利した。
エボルブ7は深くて長い腰と、容量の大きな後駆。そして頭部のつくりが軽く、いかにもスピードがありそうな1頭。「将来、繁殖牝馬として牧場に戻すためにも競馬場で胸を張れる成績を残してほしい」と高村さん。首を上手に使ってキビキビと歩く本馬の姿を動画でご確認いただきたい。軽やかな脚どりでターフを駆ける姿がオーバーラップしてくる筈だ。