昨年秋のクラブ当歳馬募集開始後、早々に満口となったドラフト7が順調にひと冬を越して、期待通りの確かな成長曲線を描いている。
　現役時代、凱旋門賞をはじめGI5勝を挙げて、04年度欧州最優秀3歳牡馬に輝いた父のバゴは、2006年から日本で種牡馬生活を開始したベテラン種牡馬。初年度産駒から菊花賞馬ビッグウィークや桜花賞2着馬オウケンサクラを送り出して順調なスタートを切り、コンスタントに活躍馬を送り出しているが、近年、その注目度が一気に高まった。立役者は勿論クロノジェネシス。昨年暮れに有馬記念を制してGI3勝目を獲得。宝塚記念との両グランプリ同一年度制覇の功績によりJRA賞特別賞を受賞した。年明け初戦となったドバイシーマクラシックでは、ゴール直前で勝馬Mishriffにクビ差交わされて2着と惜敗したが、その評価を下げるものでは決してない。ファン投票1位となった6月の宝塚記念では、連覇とグランプリ3連覇を達成した。また、ステラヴェローチェは、今春の皐月賞とダービーで共に3着と牡馬クラシックで上位を賑わせた。
　富田牧場代表の富田秀一さんが、満を持して配合したCoup de Genieの3×3牝系クロスを持つドラフト7は、春を迎えて伸びと厚みが調和した素晴らしい身体つきへと成長を遂げた。如何にも新陳代謝が良さそうな薄い皮膚と、牝馬らしい柔らかなボディラインに縁取られたその馬体は、父の産駒らしい上品さと奥行きが感じられる。動かしてみると肩の出も良く、四肢の関節には適度な柔軟性があり、スナップが利いてスピードに乗ったフットワークは、芝コースで躍動する将来の姿を想像させる。気性は非常に素直な性格で、まさに優等生。この気性であれば、レースでも乗り役との折り合いはスムーズにつくはずで、中距離からクラシックディスタンスまで活躍の場が広がることが期待できそうだ。「期待通りの成長です」と話す富田さんの言葉が何よりも頼もしい。
【1歳6月上旬時点測尺】体高151cm／胸囲171cm／管囲18.7cm