市川ファームが生んだ稀代の砂王の“第2章”。2年毎に2つの種馬場を行き来する国内シャトル種牡馬として、今春は浦河町のイーストスタッドで種付けを行っているホッコータルマエだが、その人気は優駿SSに在厩していた前年以上。「希望しても種付を断られることも少なくない」というボヤキが日高の生産者から聞こえてくる。産駒の出来は総じて良いと評判で、その筋立てはとても明るい。
　ブレイズ6は市川ファームから提供された100％自家生産馬。母は、ディープインパクトの母も名を連ねる名門バーグクレア系の繁殖牝馬であり、近親には活躍馬が多数。牝系の“厚み”は、ブラックタイプでご確認いただきたい。募集本馬はそんな母の第5仔。なお、現3歳馬の3番仔モンブランテソーロは、この4月の未勝利戦で経験馬相手に初陣。1番人気に支持され、直線で詰まる不利があってなおタイム差なしの2着とし、3戦目で順当に初勝利を挙げている。
　ブレイズ6は、バランスに秀でた当歳時の印象そのままに、伸びのある馬体へ成長した。1歳5月現在の馬体重は425キロ。深さのある胸前に太く逞しい上腕部、背中と胴のバランスも上々で背腰は強靭。そして適度な強度と柔軟性を備えた繋ぎに飛節のつくり、上体をストレスなく支える真っすぐ伸びた骨太の四肢、その何処をとっても期待通りの出来だ。
　「芯のある気性で賢い馬ですが、スイッチが入るとすごい」と同ファームのスタッフが評するブレイズ6の気性。その“激しさ”こそが、レースでの爆発力の源となり、それをコントロールできるクレバーな気性が、効果を何倍にもする。先々は、ピタリと折り合って、鞍上の意図するままのソツないレース運びと、ここぞという場面で瞬時に反応して末脚を爆発させる走りを見せてくれるだろう。父由来のダート適性の高さは無論だが、芝での走りにも期待が膨らむ。託す言葉は『父の名を高める一翼とならん』だ。
【1歳5月末時点測尺 体高153cm/胸囲179cm/管囲19.5cm】