「昨秋以降、クオリティロード産駒の活躍が凄くて、海の向こうで大人気だそうです。この牝系を長年追い求めて手に入れた母のお腹の中に、父の産駒がいた幸運を感じています」と富田牧場代表の富田秀一さんが声を弾ませる。
　主なところだけでも、BCジュヴェナイルフィリーズをカレドニアロードが制して北米2歳女王の座へ就いた他、シティオブライトは、昨年暮れ以降GI勝ち2つを含む重賞3連勝。5月にはソルティがGIラトロワンヌSを勝った。そして昨年の北米最優秀3歳牝馬エイベルタスマンは6月にGI5勝目を挙げ、同日スプリングクオリティもGI勝ち。今年4月のOBS2歳トレーニングセールでは、クオリティロード産駒の2歳牝馬が初日のトッププライス、全体でも2番目タイの80万ドル（日本円で約8700万円）で取引された。名門レーンズエンドファームで繋養中のクオリティロードの種付料は、昨年の北米年度代表馬ガンランナーの父キャンディライド（8万ドル）に続く7万ドル。世界的種牡馬だった父イルーシヴクオリティの最高種付額（10万ドル／2005年）にも迫る勢いだ。
　アプローズ7は、まだかなり腰高な体型ながら品格と躍動感に満ちた一流の出来栄えで、ファンディーナを輩出した名門ファミリーの底力と、父系の快速のDNAを強く感じさせる。ふっくらと丸みのある馬体はしなやかで、ビロードのような皮膚感とその下にある筋肉の充実度がまた素晴らしく、骨太の四肢が真っすぐ伸びたシルエットは凛として、良血の牝馬に相応しい雰囲気を漂わせる。そして、発育の良い馬体を持て余すことなく、まるで蹄の先まで神経が張ったようなキレのある動きは、運動能力の高さの証だ。
　頂点を目指して夢を共有できるワクワク感と感動。昨春、ファンディーナがくれたそれらを本馬もきっと与えてくれるに違いない。
【1歳5月末時点測尺　体高158.5cm/胸囲181cm/管囲20.5cm】