春陽の中山競馬場で行われた芝6FのOP特別・春雷Sで、サカジロロイヤル（父バゴ）が、昨年のオーシャンS（GIII）勝馬スマートオリオン以下の追撃を封じて勝利した。勝鞍の全てを芝6F戦で挙げている典型的なスプリンターの同馬。今後は短距離重賞路線での活躍が期待されるところだ。募集本馬ウルトラ7は、その半妹である。
　「兄の“出世”は頼もしい限りですが、牧場にいた頃は飛び抜けて目立つ馬ではなかったです。牡牝の違いはありますが、1歳時の出来はこちらの方が上じゃないかな」と中島牧場代表の中島雅春さん。
　ウルトラ7は、重心の低いどっしりとした身体つきが頼もしいタイキシャトル産駒。牝馬らしからぬボリュームを備えたその馬体は、胴がやや詰まり、腹袋もしっかりある。クビ差しは太く、肩の回りには筋肉が盛り上がり、推進力の源となる発達した後駆の逞しさが、また牝馬離れしている。短めの膝下と小気味よく動く回転の速いフットワーク、そして「静」から「動」へ切り替わる際、一気にトップスピードまで持っていく抜群の加速感、そのいずれもがスプリント～マイル路線への適正の高さを現わしている。
　ちなみに、クラブ当歳馬募集のラインナップが決まるのは例年8月下旬頃。つまり、昨年で言えばサカジロロイヤルが、まだ1600万条件を勝つ前だ。それ故に現役OP馬の半妹がリーズナブルな価格となっている次第だが、「会員の皆さんが喜んでくれれば、それが一番」と中島さん。
　「気持ちの強いところがありますが、それくらいでないと、競馬で“闘えない”ですからね。本馬はカケス（人間で言う出っ歯）ですが、飼葉は他のどの馬にも負けないくらい、しっかり食べますし、ご覧の通りきちんと身になっています。胸を張って送り出せる馬です」と力を込めた中島さん。固く結ばれたその口元には、自信のほどが見てとれた。