自身初となるリーディングサイアーのタイトル獲得へ向けて、ロードカナロア産駒の活躍が目覚ましい。5月31日現在、サイアーランキングは昨年、一昨年と同じ2位だが、獲得したJRAの重賞タイトルは、ダノンスコーピオンのNHKマイルCを含めて「9」。この部門で2012年からタイトルを守り続けているディープインパクトの4勝にダブルスコア超の差をつけてひた走る。その最大の特徴は、国内外のスプリントGIを5つ制したスピードと瞬発力を産駒に良く伝えていること。と同時にパンサラッサやサートゥルナーリアが証明したように、配合次第で距離の融通性を持たせられる事が、産駒の活躍の幅を広げている。
本馬の母マイネアンティークは2冠牝馬ベガやダービー馬アドマイヤベガを擁する煌びやかなファミリー出身。その広がりは掲載のブラックタイプでじっくりとご確認いただきたい。その2番仔で、募集本馬の全兄サンキューユウガは、セレクションセールで取引(3,780万円)され、13戦して3勝2着6回3着1回(2022年6月現在)。3勝クラスへ昇級2戦目でいきなり2着したように、そのポテンシャルはまだ底が割れていない。その全兄を1歳時のセリ前に管理していた奥山ファームの奥山昌志代表は「全兄は2歳夏のデビュー戦から500キロを超えるような馬でしたが、体型的には似ていると思います。1歳6月の数字で体重は432キロ。オンとオフの切り替えが上手な分、妹である本馬の方が、距離の融通性はあるのではないかと思います」と評価する。
そして1歳6月下旬からは、西村真幸調教師の指示で、ファンタストクラブへ移動して育成を開始した。当然、これだけ早い育成開始の指示は期待の表れ以外、何物でもない。放牧地での軽快な走りに豊かな将来が垣間見える、そんな1頭だ。
1歳6月上旬時点測尺
体高 156cm / 胸囲 173cm / 管囲 20.0cm