黒・桃格子・桃袖の勝負服で2006年GIII函館SSを制したビーナスラインゆかりの血統馬を、この度、ご紹介させていただく運びとなった。
募集本馬の母スマッシュハートは、ビーナスラインの3番仔。母娘共に元ターファイトクラブ所属馬であり、母系を遡ると桜花賞2着馬ホクトビーナスに辿り着く。自身は僅か2戦で現役生活に幕を下ろしたが、母としては、初仔ストロングラインを含め3頭続けて中央3勝馬を送り出し、募集本馬の全兄にあたる4番仔マテンロウボンドは、新馬勝ち直後のすみれS(L)では1番人気に支持された。ビーナスラインの最良後継繁殖牝馬として一族のスピードを伝える母。その8番仔がグラッド25である。
「募集時期は遅くなりましたが、5月末産まれの分、成長を待って、それから提供を決めました。馬の雰囲気も、どこかとぼけたところがあった兄ストロングラインと比べると、キズナの牝馬らしく、いい意味で『気持ちの強さ』があり、それが先々のスピードに繋がっていくと思います」と酒井牧場代表の酒井一馬さん。12月上旬現在、BTCで育成され、週2日は屋内坂路を17-17-17で乗られている。フットワークは軽く、機敏さと反応の良さが特徴的だ。
父は、2024年のリーディングサイアー争いで首位を走るキズナ。皐月賞馬ジャスティンミラノをはじめ、シックスペンス(毎日王冠)、クイーンズウォーク(ローズS)など、今年だけで11頭の産駒が重賞タイトルを奪取。来春の種付料はイクイノックス、キタサンブラックと並ぶ国内最高額の2000万円に設定された。
「森一誠調教師は、堀厩舎の助手時代に、母をはじめ、この血統を複数頭担当されていたそうで、そういった意味でも楽しみにしてくれています。遅生まれの分、成長途上ですが、母は仔出しが良く、父は今年大活躍のキズナ。きっと皆さんに楽しんでもらえると思います」と酒井さん。大きな期待と共に送り出す。
1歳11月時点測尺
体高 155cm / 胸囲 174cm / 管囲 19.5cm