「母のアゾフィーは、ドリームオブジェニーと同じ牝系の出身で、海外で購入しました。本馬は今までの母の仔の中で1番出来が良いと思います。具体的には身体つきが良いですね。最近ではファントムシーフの馬体がそうでしたが、自分が理想とする形の馬体です」と話すのは谷川牧場代表の谷川貴英さん。
ヒーロー15は筋肉の逞しさと骨格のバランスがとれた好馬体で、恵まれた筋力を無駄なく発揮出来そうな強靭な収縮力をもつ背中は、本馬のストロングポイントのひとつ。1歳6月の馬体重は424キロ。脚が短く見えるほど厚みがある馬体からは祖父ダイワメジャーの息吹が色濃く感じられる。
父はサンデーサイレンス系を代表するダイワメジャー分岐のアドマイヤマーズ。現役時代は全6勝をマイル戦で記録。朝日杯FSとNHKマイルCの両マイルGIを連勝したのは史上2頭目で、香港マイルでは、同レースがGⅠ昇格後としては初の3歳馬による優勝を達成。種牡馬入り後は、今年3歳を迎えた初年度産駒から桜花賞馬のエンブロイダリー、紅梅Sを勝ち、桜花賞へ駒を進めた谷川牧場生産のナムラクララなどを送り出した。ちなみに2024年の2歳総合(JRA+NAR)ランキングで記録した1.73のアーニングインデックスは、新種牡馬に限ればナダルらを抑えて堂々のトップ。父系の発展を担う1頭となっている。
母系に目を転じると、祖母ベータは仏2歳重賞のカブール賞2着馬。その半兄には全欧2歳牡馬、同3歳牡馬チャンピオンで凱旋門賞馬のバゴがいる血統だ。名種牡馬マキアヴェリアンも名を連ねる。欧州名門ファミリーの血の広がりは、ぜひブラックタイプでご確認いただきたい。
「冬も休まず昼夜放牧を続けて体調を崩すことがなかったように、基礎体力に優れた馬です。ビシビシ鍛えて、たくさんの方々と喜びを共有したいですね」と谷川さん。“ファントムシーフの再来”を期待したい。
1歳6月上旬時点測尺
体高 153cm / 胸囲 173cm / 管囲 20.0cm