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「兄姉の成績はもうひとつ出てないけど、楽しみな血統馬がいるんだよ」と、三石川上牧場代表の上山浩司さん。その指差す先に視線を転じると、放牧地に凛と立つジール14の姿が飛び込んできた。
父は、2013年のマイルCSを極上の末脚で一閃したディープインパクト産駒トーセンラー。2歳秋に新馬勝ちし、4戦目のきさらぎ賞ではオルフェーヴルを3着に退けて初重賞勝ち。同年の牡馬クラシック戦線を歩み、古馬となってからも京都記念を勝つなど、大きな怪我なく6歳まで一線でキャリアを送り、父の主戦でもあった武豊騎手からは「ディープインパクトに最も近いフットワーク」と称された。血統のバックボーンも素晴らしく、半兄フラワーアリーは北米GⅠ勝馬で、父としても北米2冠馬アイルハヴアナザーを輩出。全弟スピルバーグは、天皇賞(秋)の勝馬だ。
そのトーセンラーに、北米2冠馬タバスコキャットの全妹を配して誕生したのが、薄い皮膚に包まれた漆黒の馬体のジール14である。クビ差しは太く、気性は競走馬向きの“強さ”を備え、放牧地での動きは躍動感に溢れている。ダートもこなすだろうが、やや短めの背中、そして何よりトーセンラー×ストームキャットという血統背景からも、芝マイルが本領発揮の場となりそうだ。
そして注目したいのが、ディープインパクトと母父ストームキャットの相性の良さ。キズナ(日本ダービー)にラキシス(エリザベス女王杯)、アユサン(桜花賞)、エイシンヒカリ(イスパーン賞)にリアルスティール(ドバイターフ)と“成功例”は枚挙に暇がない。今春の安田記念馬サトノアラジンもこの組み合わせだ。となれば、トーセンラーとの相性も悪いはずがない。サンデーサイレンス系種牡馬と母との配合自体も本馬が初。“弾ける”可能性は十分だ。
「あとは清水久詞調教師にお任せするだけです」と上山さん。静かに闘志を燃やしながら大きく頷いた。