3歳2月時点でオープン特別2勝と、今年の3歳マイル路線にしっかり爪痕を残しているタイムトリップの生産者・鵜木唯義さんが、この春、クラブへ送り込む“隠し玉”が、募集本馬ビクター19だ。
　「隠していたわけじゃなく、1歳時は小柄で、セリにも出さずに成長を待っていたんだけど、年が明けてからグッと身体に幅が出てきてね。体高はないけど、如何にも短距離馬らしい感じになってきて、動きも良いというので、クラブへ提供することにしました」と笑いながら提供の経緯を話す鵜木さん。
　オープン馬オースミへネシーをはじめ、近親にはダートを得意とした馬が多く、母のエルビーローズも、クロフネにプリサイズエンドと、砂にベクトルが向いた血を重ねられている。そこに殿堂入りマイラー・タイキシャトルを配した血統通り、ビクター19は幅のある重心の低い身体つきで、詰まり気味の胴に、トモは丸々として容量が大きく、中でも臀尖からヨロにかけてのボリュームが際立つ。性格は素直で、かつ走ることに対してとても前向き。騎乗者とのコンタクトもスムーズに取れる。調教では膝下の短い四肢から繰り出す回転の速いピッチ走法で、小気味良いスピードある動きを見せている。
　なお、2月末時点では北海道浦河町のMAXトレーニングファームで調教を行っているが、4月早々には美浦TC近郊のスピリットファームへ移動して、以降は夏のデビューを目標に進めていく予定だ。
　「タイムトリップも夏の函館でデビュー勝ちして、2戦目の重賞でも3着して波に乗りました。やはり早い時期に競馬を使えるアドバンテージは大きいね。成長を待った分、乗り出しは遅くなりましたが、タイキシャトルの産駒だからスピードは間違いないし、仕上がりも早そう。夏の開催を目標に進めてもらうつもりです」と鵜木さんが目を細めながら目標を力強く語ってくれた。
【2歳2月時点測尺　体高154cm/胸囲178cm/管囲19.0cm/馬体重442kg】