「この馬は、当スタリオンの宝物です」とアフリートを管理するブリーダーズSSの事務局長が誇らしげに語る。同馬の凄いところはプリモディーネのようなクラシックホースを出す一方で、2000年から3年連続でJRAのダートチャンピオンサイアーに輝いたことだ。年齢とともに種付の頭数制限を行っているが、少ない産駒の中から重賞3連勝のサカラートを輩出するなど、中身の濃さは特筆ものだ。02年以降も、同ランキングでは2→3→2位と抜群の安定性を誇っている。
　母も、ダートでは安定した力を見せたベルベットスマイル。「母親の特性をどうやって伸ばしていこうかと考えた結果、長所を伸ばそうと配合相手を決めました」と大北牧場の齋藤代表。ダート1200mのデビュー戦を快勝した母は、その後もコンスタントに走って3勝2着6回と堅実な成績を残した。
　「ベルベットスマイルが生んだ初めてのオトコ馬です。やはり、姉たちと比べると性格はキツい感じがしますね」と齋藤代表も頼もしげ。決して大柄というほどではないが、キビキビした動きからは器用さと力強さが感じられる。血統通りに、小回りのダートコースで堅実な走りを見せてくれそうだ。
　「やっと母親らしくなってきました。この繁殖牝馬には大きな期待をしています」と夢を託している