モーリスの初年度産駒がTFC1歳10月追加募集馬として堂々登場だ。
　父モーリスは4歳時に本格化。条件戦を連勝して臨んだダービー卿CTでは、出遅れながらレースレコードで重賞初制覇を飾ると、安田記念、マイルCS、香港マイル、そして明け5歳初戦の香港チャンピオンズマイルも制して7連勝。年の後半には天皇賞（秋）と香港Cを連勝し、引退の花道を飾った。そのレース振りは圧倒的のひと言に尽きる。今夏、相次いで亡くなった2つの巨星の“Next”を担う1頭とも目されている期待の新種牡馬だ。
　募集本馬ブレイズ20は、その初年度産駒。なお、本年7月に行われたセレクションセールの上場馬であったが、残念ながら取引は成立せず、こうして皆様へご紹介させていただく運びとなった。
　中島牧場代表の中島雅春さんは「モーリスとの配合を決めた時からセレクションセールを意識していたので、結果には本当にがっかりしました。“まだ場の温まっていない”早い時間帯（上場番号11番）という不利もありましたが、決して恥ずかしくない馬でしたので、自分の中では正直『なんで？』という気持ちでした。でも、すぐに『だったらクラブに提供して競馬で証明しよう』と気持ちを切り替えました」とサバサバした表情で話す。
　ブレイズ20は、そのセールから1カ月余りを経て、体高156cmの確かな馬格と、胸筋が発達した厚みのある胸前を備えた馬体へと成長を遂げた。胴伸びも良く、腹構えもしっかり。トモから飛節にかけてのラインには無駄がなく、放牧地ではエネルギッシュで瞬発力ある動きを見せている。
　「セールでは縁がありませんでしたが、セレクションセール上場馬として、セレクションセール選考委員会による血統基準審査と実馬検査に通った馬ですので、自分としても出来には自信があります。価格は少し抑えめに設定したので検討いただけたら嬉しいです」と中島さん。リベンジの気持ちを胸に生産馬を送り出した。