飛ぶ鳥を落とす勢いのダイワメジャー産駒、それも牡馬がTFCに初見参だ。
　既にA級種牡馬の評価を確立しているダイワメジャーだが、2015年はディープインパクトを抑えて2歳サイアーランキング1位に輝いた。産駒が昨年挙げた勝星はキャリアハイの133勝。“油の乗り切った”という表現がぴったりだ。そして、中でも鮮烈な印象を残したのが、昨年の2歳女王メジャーエンブレム。先日のクイーンCでも、次元の違う走りで突き抜けた。今年の桜花賞戦線をリードする存在だ。
　一方、募集本馬の母はJRA6勝馬キョウエイカルラや現役準OP馬マックスガイを送り出すが、走る母の仔に共通するのが“気の強さ”。「兄や姉も気が勝ってましたが、この馬も相当です。気持ちを表に出す馬ほど結果を出す血統だから、やってくれると思います」とモリナガファーム代表の森永賢治さんも力が入る。
　ウルトラ20は3月現在、門別競馬場の屋内坂路を中心に育成を進め、仕上がりは上々。調教に跨る道営所属現役騎手も「いつでも楽に15-15以上を出せる状態だし、パワーが凄くて手綱を抑える手が痺れて大変。スピードもあって、ちょっとモノが違う感じ」と絶賛する。さすがは森田直行調教師が預託を熱望しただけのことはある。太く発達したクビ差しに厚い筋肉を纏った胸前と肩回り。そして迫力満点の臀部。上体を支える四肢は丈夫で骨も太く、『まさにダイワメジャー産駒』といった馬体だ。
　なお、本馬は当歳5月に左後肢球節の肢軸矯正手術を行っているが、手術自体は獣医学が進歩した現在では非常にポピュラーであり、競走能力に影響することもない。施術時間はごく短く、適切に早期実施することで、多くの馬が競走年齢に達した後は力を発揮しており、本馬も影響は微塵も見られない。「生産馬のドゥドゥドゥも勝ち上がってくれたし、この馬でも皆さんが楽しめたら嬉しいですね」と森永さん。大きな期待を託して生産馬を送り出す。