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![]() 12月に入ってダート戦線で存在感を放つ2頭の牡牝。 JCダートで宿敵エスポワールシチー以下を完封しての連覇を達成したトランセンドに、交流重賞のクイーン賞を完勝したクラーベセクレタ。 前者は今年フェブラリーS、南部杯、JCダートとダートGIを3勝。春にはドバイWCで2着した国内ダート現役最強馬であり、後者はロジータ以来22年振りとなる南関東2冠馬に輝いた若き女傑。そして、この両馬ともに募集本馬プライム9と同じワイルドラッシュの産駒だ。 父ワイルドラッシュは北米で現役生活を送り、カーターH(アケダクト競馬場、D7F)とメトロポリタンH(ベルモントーク競馬場、D8F)とGIを2勝した後、ケンタッキー州のアデナスプリングスで種牡馬入り。 その後、日高の生産者グループが150万ドルで購入し、2004年からは日本のアロースタッドで供用されているが、その直後からステラージェイン(マザーグースS)、 ハリウッドストーリー(ハリウッドスターレットS)、ドリームラッシュ(テストS)ら北米に残した産駒が相次いで活躍。 現地のエージェントからは再三買い戻しのオファーが入り、ついには950万ドルの価格が提示されたが頑として首を縦には振らなかったというエピソードの持ち主だ。 そうして日本でデビューを迎えた産駒からは、前述のトランセンド、クラーベセクレタと牡牝の大物が誕生した他、アンペア(エーデルワイス賞)、ナイキマドリード(さきたま杯)、クリールパッション(エルムS)、ブラウンワイルド(小倉2歳S)らが重賞を制覇。 その産駒の活躍は主にダートでのものだが、2010年度のJRAダートサイアーランキングでは堂々3位と、流石は高額オファーを断っただけのことはあると頷ける成績だ。 ![]()
母系は英国GIIクイーン・メアリーS勝馬のウィダードを起点にするスピードが自慢の一族。ウィダードは受胎率にやや難があり、残した仔の数は少ないが、エムエム、ヤマダファームに導入された後にはバズライン(JRA3勝、OP特別6着)、ビートカイザー(3戦1勝2着2回)の2頭を送り出す。 そしてRahy×ウィダードの持ち込み馬で、募集本馬プライム9の祖母であるマチカネナナエヤエは、母のウィダードよりも先にエムエム、ヤマダファームへやって来た。 「競馬四季報をチェックしていてRahyの産駒という事に注目して偶然見つけたのが、まだデビュー前のマチカネナナエヤエでした。当時Rahyはまだ日本ではそれほど注目を集める種牡馬というわけではありませんでしたが、馬主さんにお願いしてマチカネナナエヤエの引退後に譲ってもらい、その後、縁あってその母のウィダードもウチにやって来ました」とは生産者のエムエム、ヤマダファーム代表・山田盛文氏。 母となったマチカネナナエヤエは、これまでに快速を活かしてJRAで3勝を挙げたダイショウティアラ、骨折のためキャリアは僅か5戦のみも未勝利-500万と豪快に追い込んで連勝したシルバーキング、現役勝馬エヴァンブルーなどを送り出している他、地方で14勝を挙げた初仔トシキセキの仔であるトシザツンツンが、中央で2勝を挙げて現役活躍中と、ウィダードを起点にした牝系全体の活力は見逃せないものがある。 マチカネナナエヤエの仔であるボムシェルは、ターファイトクラブ所属馬として2歳夏にデビューすると、5歳11月まで大きな怪我なく30戦のキャリアを重ねて特別勝ちを含む2勝。デビューから3戦連続3着し、続けて3戦連続2着した後に7戦目で初勝利を挙げるなど、いささか勝ち味に遅い部分はあったが、1000万条件の特別戦でも2着するなど、持ち前のスピードを武器にコンスタントに成績を残した。 その初仔が募集本馬プライム9だ。 ![]()
そして肝心の募集本馬のプライム9。バランス良くまとまったその好馬体を、まるでゴムまりのように弾ませながら放牧地を走り回る姿からは、この牝系特有の豊かなスピードと、そして類い希なるバネを想起させる。 そんな本馬について山田盛文氏は 「もともと、ワイルドラッシュが日本に来る前のアデナスプリングスにいた時から注目していたこともありますが、スピード豊かなボムシェルの長所を上手く引き出してくれそうな種牡馬を探して、ワイルドラッシュに行き着きました。当時はまだトランセンドも今ほどの評価はされていませんでしたし、今凄い勢いで売り出し中のクラーベセクレタもいませんでしたが、種馬自身の持つ北米血統の力強さが、ボムシェルの良さを存分に引き出してくれそうだと感じで決めました。北米で結果を残し、産駒もダートで目覚ましい活躍を見せているワイルドラッシュにドバイWC勝ち馬のキャプテンスティーヴとの組み合わせですから、やはりダート競馬を意識しましたが、プライム9のバランスの良さと動きの軽さを眺めていると、芝の方が良いのかなとも感じてもいます。この血統なのでスピードは間違いないだろうし、ここまで風邪ひとつひかない健康優良児。ウチに来たいろいろな調教師の先生や馬主さんからもこの馬についてはとても褒めてもらえ、手前味噌かもしれませんが、「多くの方の目を惹く馬」だと思っています。 後は来年の秋以降に育成場へ送り出すまでの時間、しっかりと手を掛けて、人間に対してしっかり信頼する事が出来る馬に育てて送り出したいと思います。この血統の持ち味であるスピードと仕上がりの良さを活かして早い時期から使っていき、大きな怪我なく息の長い活躍が出来れば最高ですね」と話します。
本馬の管理予定トレーナーである鮫島一歩調教師は、前述のトシザツンツンの管理トレーナーでもあり、この牝系特有の癖のようなものも既に把握しているのが心強い。ターファイトクラブ所属の現役OP馬であるホワイトピルグリムも同厩舎に預託されており、当クラブとの相性も良好。活躍の著しいワイルドラッシュ産駒の今後の動向と共に、ぜひプライム9にはご注目いただきたいところです。
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